日本酒酒蔵の「蔵開き」へ行ったことはありますか?
日本酒好きなら「蔵開き」という言葉を聞いたことはあると思います。
蔵開きは、日本酒を造っている酒蔵がその年の造り始め(10月)や造り終わり(3月)の時期に開く、その蔵のファンに向けたお祭りのようなイベントです。
形態は様々ありますが、蔵の敷地内に日本酒を1杯から販売している場所を中心に屋台や飲食スペースが広がっているイメージです。
聞いたことはあるけどまだ足を運んだことがない方に向けてその魅力をご紹介します。
目次
蔵の新鮮な日本酒を安く色々な種類飲める
蔵開きに来たならばその蔵の日本酒を飲まないわけにはいきません。
販売スペースでは1杯からオーダーができ、プラスチックの紙コップや蔵によってはお猪口に注いでもらえます。
種類は秋であればその年のひやおろし、春なら新酒などを市場に出回る前に味わうことができます。
また、蔵イチオシの古酒やここ数年の中で一番おいしく仕込めた日本酒を蔵開き限定で出すなんてこともあります。
いわば蔵で働く蔵人たちが厳選した蔵の日本酒を余すことなく出してくれるのが蔵開きの大きな魅力であり、お店や酒屋で購入して飲む点との大きな違いです。
種類は日本酒の他にも果実酒なんかもあったりで、15~20種類ほどのお酒が200円~500円程度で飲むことができます。
もちろん飲食スペースもあり、そこには仕込みで使われる水なんかも置いてあるので、適度に水を飲みながら楽しめるのも日本酒好きには嬉しいです。
アテももちろんレベルが高くて美味しい
蔵開きの楽しみ方として、日本酒はもちろんのこと、出店で出ているアテや料理に着目することもおすすめです。
基本的には蔵の人たちが用意したアテや料理が振る舞われますが、中には提携している飲食店なんかもお店を出しており、色々な種類のものを楽しむことができます。
当たり前ですが、蔵人が日本酒に合うものを準備しているのでどれも間違いありません。
よくあるのはイカ焼きやエイヒレといった日本酒のアテ、その蔵でとれた酒粕を使ったかす汁やかす漬けなんかも振舞われています。
力を入れているところは、ラーメンやそば、といった締めもありますし、京都の酒蔵なんかですと京風のだしまきなんかを出していたりと、地元の味を押し出しているパターンもあります。
これだけのアテと料理があれば日本酒が進んでしまうのは間違いなしです。
連携している農家さんに会える
蔵開きには蔵の人だけでなく、提携している飲食店や蔵と関係のある業者など、色々な立場の方が前に立って運営をしています。
その中でも面白いのが、酒蔵にお米を提供している農家さんが来ているパターンです。
日本酒はお米の銘柄や産地によって味や造り方が変わるため、お米農家さんとのつながりはとても重要です。
そんなお米に関するお話や蔵との関わりなんかを直接会話できてしまうのも、日本酒好きにとってはたまらない瞬間だと思います。
農家のおじちゃん、おばちゃんがよくいるので、喜んで色んな話をしてくれますし、蔵によっては稲刈りイベントもあるので参加してみるのも1つの楽しみ方です。
蔵開きではお米を売っていたり、お米以外の新鮮な野菜を売っていたりするため、蔵開きに来たけど野菜をたくさん買い込んで帰る、なんて人もちらほらいらっしゃいます。
限定スイーツや蔵ならではの商品も
蔵開きの時にだけ出す日本酒や料理はあって当たり前ですが、力を入れている蔵はその日限定のスイーツなんかも出したりしています。
先日うかがった先では、日本酒アイスを出しており、蔵開きに合わせて一緒に製品を作ったとのことで、そこまで力を入れていることに驚きました。
味は蔵の日本酒特有の芳醇な香りや旨味がしみ込んだものになっていてとても満足いくものでした。
蔵開きには若い女性も最近足を運ぶようになってきたので、そんな方にはおすすめの一品にも出会えます。
他には梅酒の仕込みで使った梅が詰め放題で提供されていたりします。
梅酒の旨みとアルコールの浸った梅は、意外と人気であっという間に完売するような状況で、「そんなことまでするのか」と、蔵ならではの雰囲気を味わうことができます。
蔵に入って製造場所を見学できる
蔵の敷地内で飲み食いしているので、すぐそばには日本酒を造っている蔵があります。
せっかく蔵まで足を運んでいるのでどうなっているのか気になる方のために、多くの蔵が見学ツアーとして開放しています。
実際に日本酒を造っている現場ではありませんが、造りの前後なので設備が仕込み時の状態で残っているため、間近で造りの様子を見ることができます。
見学は蔵元や杜氏などが実際に案内をしてくれ、仕込みに使われる機材や道具の説明や実際の仕込みの風景写真なんかを交えて日本酒の製造工程を案内してくれます。
中堅くらいの蔵であれば、蔵自体が木造でできており木のぬくもりを感じられたり、麹の香りがしたりと、造りの現場を体全体で感じることができます。
もちろん、見学中は質問もできるので日本酒マニアの方にはおすすめです。
杜氏と会話ができる
日本酒造りといえば、杜氏の存在は欠かせません。
最近では大手メーカーや有名な蔵では杜氏制度を廃止する現状もありますが、多くの蔵では杜氏がその年の日本酒造りを任されています。
蔵開きには杜氏も当たり前のようにおり、運営スタッフとして敷地内にいるのでタイミングを見計らって話しかけにいくことができます。
日本酒造りへのこだわりや、好きな銘柄について聞いてみても面白いかもしれません。
会話の中では「アレは失敗やった、もっと美味しくできた」なんて本音も聞けたりするのでとても楽しいです。
杜氏は高齢の男性というイメージが強いですが、最近は若い杜氏や女性の杜氏、中には外国人杜氏も出て生きているので、色々な蔵の杜氏に会いに行って蔵の色を見れるのも楽しみの1つになります。
1日中ゆっくり楽しく過ごせる
色んな種類の日本酒あり、アテと料理もあり、飲食スペースも確保されているので一日中いる人なんて人も多く見受けられます。
蔵開きは、10時~15時の間で行われることが多く、1日を通じてイベントが開催されています。
スタート時には振る舞いとして、鏡開きで使われた樽酒を先着で配布したり、きき酒チャレンジやアーティストのミニライブなど、色々な仕掛けを蔵が行ってくれます。
そんなイベントに参加しつつ、美味しい日本酒を飲みながら談笑していればあっという間に1日が経ってしまいます。
そんな1日も日本酒好きにとっては幸せな時間ですね。
蔵開きは、はしごもできる
これは上級者向けの楽しみ方になります。
酒蔵の多い地域ではどの蔵も同時期に蔵開きを開催します。
兵庫県の灘や京都府の伏見では酒蔵が密集しているため、同日に蔵開きをしている日に行くことができれば、蔵開きをはしごすることも可能です。
各蔵での限定酒や料理やアテ、杜氏との会話など、比較できるからこそ楽しめることもあります。
また、全く知らない蔵でも、蔵開きへいって美味しい日本酒に出会えた、蔵の人と仲良くなってファンになった、という人もいます。
せっかく足を運んで来たのであれば、そんな楽しみ方をしてみるのも日本酒好きの醍醐味です。
まとめ
蔵開きは日本酒好きにとって、魅力が詰まったイベントです。
好きな蔵があるのであれば、是非とも足を運ぶことをおすすめします。
新鮮な日本酒に出会え、味に酔いしれ、知識もつけることができるので、より日本酒にハマること間違いなしです。
ご紹介した通り、蔵開きは一種のお祭りのようなイベントなので、日本酒好きな仲間を連れて気軽に遊びにいってみてくださいね。